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ていうんコラムcolumn

書道師範の資格について

 私は書を高校生から部活で始め、書道教師であった辻元大雲に指導を受け、その後大学で書道を専攻しながら、辻元大雲の師匠の故種谷扇舟に師事しました。
 それからは、古典の学習をしながら県展、市民展、毎日展、書道芸術院展、白扇会展、日本童謡の書展等々に毎回作品を発表しています。18才から始めた事を57才になるまで継続しています。

 そのうちにそれぞれの展覧会で入賞を繰り返し何年もかかり審査員になりました。 私の属している書道藝術院では毎月競書を提出しながら、昇段試験を受け、最終的に師範の試験に合格して師範の免許を頂きます。
 もう一つの方法は書道藝術院展で審査会員候補になるとそれぞれの部で師範と同等の資格となります。

 書道会に属していない方は、私が書を勉強しているというと「何段ですか?、師範は持っていますか?」とよく尋ねられます。
 師範、段級はそれぞれの会派、団体によって組織された書道会でそれぞれの代表者の責任で設定している資格ですから、決して国家資格やそれに準ずる資格ではありません。
 ですから履歴書等に堂々と書くような事は認められませんが、世間一般で知らない方が多いので「師範とはすごいね。」などと思う方が多く、どのくらいの価値があるのか、同じ師範でも会によってレベルにかなり差があることも知りません。

 では、何によって書道家のレベルをはかるのでしょうか? たとえば県展、これは会派を超えて開催されているので県展での資格によって判断できます。
もっと大きなレベルですと、毎日書道展、読売展、産経展という公募展が有ります。それぞれ出品している団体が違いますが、ある程度の参考になります。日展の資格も大変なものですが、これも出品していない団体が多いので日展に出品していないからレベルが落ちるとはいえません。

 師範になれば指導者になれるというのは、その会派の中の資格ですから、師範になったから弟子を指導できるとは限りません。師範の資格など無くても、展覧会に出品していなくても、その方が指導者としてどれほどの研鑽を積み、知識、技能を得て、魅力的な指導が出来るかが問われるのではないでしょうか。

  私が今も師匠について書道を習っているのは、書が好きで奥深い魅力にとりつかれたからであって、資格は関係ありません。
 書を教えるのも、今まで多くの先生や古典の学習、中国や台湾に行って学んだこと、多くの展覧会に出品し評価され感じたこと。多くの年月を費やして得た書の深遠さを多くの方に知って欲しいと、自分だけで墓に持って行くのは書の勉強の御指導を受けた多くの方の意志に反すると思うからです。
 教えると言うよりも、教えることによりまた深く勉強することと思います。おそらく私の周りにいる多くの書道の先生は同じような考えで臨んでいると思います。

 書を学んで師範の資格を取りたいのは目標として立派なことです。但しそれは二次的なものであって書を勉強する過程で与えられる通過点の標しと考えてみたらどうでしょう。


2013.4

     
                     

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